管理組合元理事長の業務上横領で、約3500万円の被害に遭った仙台市青葉区の「二日町パークマンション」(築22年、60戸)管理組合が、元管理会社の石井ビル管理(本社宮城・仙台市)に対して「毎事業年度かつ年12回行うべき預金通帳の確認義務と、会計書類を提出する際になすべき預金通帳の提示義務を怠った」と主張し、管理委託契約に違反する債務不履行の損害賠償を求める訴訟を仙台地裁に起こした裁判で、7月24日、両者に和解が成立していたことが分かった。
管理組合は元理事長にも訴えを起こし、3月17日に請求全額の賠償命令が出され、判決は確定している。
現在は元理事長から月20万円の割合で、管理組合に弁済が続けられている。
和解の内容は、被告である管理会社が、原告の管理組合に対し、和解金として500万円の支払い義務を認め、これを払うこととしている。管理会社は管理組合の役員および監事を務めた者に対し、損害賠償請求権および求償権を行使しないこと、管理組合は、その他の請求を放棄すること等を和解条項に定めている。
管理組合側の野呂圭弁護士によれば、元理事長に対する判決確定後、裁判所から和解の方向で検討を進めるよう打診があった。
裁判所から指摘されたのが、求償権の問題で、このまま裁判を続けると、今度は管理会社から、業務上横領があった当時の役員・監事に対し、管理会社の負担する何割かを損害賠償請求する訴訟を逆に起こされる可能性が大きかった。
元理事長が持っていた通帳の原本を確認しない管理会社の初歩的なミスで過失は重大だが、他方、管理組合の役員・監事がチェックしていれば横領行為を未然に防げたのも事実。管理組合が仮に勝訴しても管理組合側にも落ち度があったとして過失相殺され、当時の役員・監事ら個人に責任追及が及んでしまう恐れがあった。
管理組合としては、それも想定の範囲内で訴訟を受けて立つ方針だったが「管理組合は裁判の早期解決化を望んでおり、元理事長も弁済を続けている。管理会社対個人では精神的負担も強いられ、この辺りが引き際だと管理組合が判断した」(野呂圭弁護士)
関係者の話では、現在も元理事長はそのまま住み続け、管理組合は、4月から管理会社を変更している。
「当初管理会社は支払い賠償義務がないと全否定していた。それから考えると500万円という金でも一定の成果はあったと思う」と野呂弁護士は総括する。
〔(株)マンション管理新聞社発行 マンション管理新聞 第692号より抜粋〕
管理組合は元理事長にも訴えを起こし、3月17日に請求全額の賠償命令が出され、判決は確定している。
現在は元理事長から月20万円の割合で、管理組合に弁済が続けられている。
和解の内容は、被告である管理会社が、原告の管理組合に対し、和解金として500万円の支払い義務を認め、これを払うこととしている。管理会社は管理組合の役員および監事を務めた者に対し、損害賠償請求権および求償権を行使しないこと、管理組合は、その他の請求を放棄すること等を和解条項に定めている。
管理組合側の野呂圭弁護士によれば、元理事長に対する判決確定後、裁判所から和解の方向で検討を進めるよう打診があった。
裁判所から指摘されたのが、求償権の問題で、このまま裁判を続けると、今度は管理会社から、業務上横領があった当時の役員・監事に対し、管理会社の負担する何割かを損害賠償請求する訴訟を逆に起こされる可能性が大きかった。
元理事長が持っていた通帳の原本を確認しない管理会社の初歩的なミスで過失は重大だが、他方、管理組合の役員・監事がチェックしていれば横領行為を未然に防げたのも事実。管理組合が仮に勝訴しても管理組合側にも落ち度があったとして過失相殺され、当時の役員・監事ら個人に責任追及が及んでしまう恐れがあった。
管理組合としては、それも想定の範囲内で訴訟を受けて立つ方針だったが「管理組合は裁判の早期解決化を望んでおり、元理事長も弁済を続けている。管理会社対個人では精神的負担も強いられ、この辺りが引き際だと管理組合が判断した」(野呂圭弁護士)
関係者の話では、現在も元理事長はそのまま住み続け、管理組合は、4月から管理会社を変更している。
「当初管理会社は支払い賠償義務がないと全否定していた。それから考えると500万円という金でも一定の成果はあったと思う」と野呂弁護士は総括する。
〔(株)マンション管理新聞社発行 マンション管理新聞 第692号より抜粋〕
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